3Dプリンターを買った人が必ずぶつかる、ビルドプレートからの剥がれ問題を解決するには? ビルドプレートにはどんなものがある?

3Dプリンター

数時間かけてプリントして出来上がったものが上の写真のようなモノw
3Dプリンターを使っている人ならだれでも作ったことありますよねw

造形物がビルドプレートから剥がれてしまったことが原因ですが、フィラメントがビルドプレートから剥がれしまう原因はいくつかあります。
その原因と対策を考えていきたいと思います。

一層目が着かない原因は?

まぁ何時間もかけて途中で剥がれるよりはマシとも言えますが、最初から付かないのも困りますね。
一層目が着かない原因は主に2つです。
ノズルとビルドプレートの隙間が適切でない、そしてビルドプレートの温度設定です。

ノズルとビルドプレートの間隔が広い、または狭い

最近の3Dプリンターはオートレベリングのモノがほとんどなので買っていきなり着かないということは少ないと思いますが、
隙間が広い場合はフィラメントが糸状に浮きます、逆に狭い場合はフィラメントが出てこないため薄くしか着きません。
ビルドプレートの水平が出ていないと右側は濃く左側は薄い、という感じになったりします。
こういう場合は隙間ゲージやコピー用紙を挟んで四隅の調節ネジを回して手動で調節します。

Zオフセット(Z軸の原点からの距離)を調節できる機種の場合はZオフセットの調整でノズルの高さを調整できますが、自分が使っているAnycubicの古い機種だと細かい調整は4隅の調整ネジで、ミリ単位の大きな調整はZリミットスイッチの高さを変えて調整する必要がありけっこう面倒です。
Anycubic以外にもTronxy xy2-proという機種も使っているんですが、こちらはZオフセットの調整もできるし音がとても静かでいいマシンです。

ヒートベッドの温度設定

ノズルの高さは適切なのに着かない場合はヒートベッドの温度を上げてやると着きやすくなります。
とはいえむやみに上げ過ぎてもうまくいかないのでお使いのフィラメントやプリンターの設置環境の温度なども考慮して適宜調整が必要です。
一般的にはPLAが60度前後、PETGが80度程度、ABSが100度程度から始めて出力結果を見ながら調整していく感じがいいようです。

そもそもビルドプレートの着きが悪い

買った直後はちゃんと着いていたのにしばらくすると着きが悪くなったり逆に着きすぎて剥がすのに苦労したりすることがあります。
表面のコーティングが剥がれてくると最悪の場合はビルドプレートに貼りついてしまい、無理やり剥がすとビルドプレートの表面が剥がれることもあります。
最近はPEコーティングされたザラザラの表面の鋼板をマグネットでヒートベットに付けるモノが主流になっているようですが、少し前は表面加工されたガラスベットが流行ってました。
その前はホウケイ酸ガラスという耐熱ガラスのベッドもありました。
自分の場合は全部使ってますが、造形物の一層目を表面にして使いたい場合は表面の質感でツルツルのホウケイ酸ガラスプレートを使用し、ザラっとした質感にしたい場合はザラザラの鋼板を使用、という具合に使い分けています。
表面加工されたガラスベットもABSやASAなどのベッド温度が高温になるものに使用しています。
着きが悪い、あるいは造形物が剝がれにくい、という理由でスティック糊を使う方法も推奨されていたりしますが、自分は掃除が面倒なのでほとんど使いません。
着きやすくて剥がしやすいPEコーティングされた鋼板が普段使いにはベストですね。

出力途中で剥がれる問題 

これも必ずと言っていいほど起こる問題で、特にABSでは苦労しました(^^;
原因は出力面と出力済みの部分との温度差による収縮です。
オープンフレーム型のプリンターの場合は周囲の気温の影響をモロに受けるので気温が20度を下回る季節になると急に失敗が増えます。
箱型の場合は庫内温度が下がりにくいため収縮による影響を受けにくいです。
とはいえまったく受けないわけでもなく、普段は糊を使わない自分もABSの時だけは使うことがあります。

現在メインで使用しているAnycubic 4MAX Pro2は箱型の筐体なのでABSでもあまり失敗せずに出力できています、ただしブリムは必須です。


もう一台のオープンフレーム型のAnycubic MEGA PROの場合は自作でプリンター全体を覆うカバーを作って被せることで庫内温度を下がらないようにしています。
暖かい季節に3Dプリンターを購入して、冬になったらうまくプリントできなくなったという方はカバーを作ってかぶせるといいですよ。

上部にアルミフレームを付けて丁番で繋いで、開け閉めできるようにしました
3Dプリンターでコーナーパーツを作り、ポリカーボネート板をカットして組み立てました

「作る」のが目的なら最初の一台は箱型がオススメ

元々機械や工作が好きで半田付けとかできる、という人はオープンフレーム型を買って3Dプリンターの動作を見たり改造を楽しむというのはありですが、モノを作るのが目的なら最初から失敗の少ない箱型を買うことをオススメします(^^)
私は最初に買ったAnycubic MEGA ZERO をはじめ3台のオープンフレーム型を持っていますが、寒い季節になるとカバー無しでは失敗しやすくなります。

あとトラブルも少なくありません。
facebookのAnycubicの3Dプリンターのグループを見ていてもケーブルの断線はよくあるトラブルのようです。
センサーのトラブルもよくあるみたいなので、機械の分解や半田付けができないと維持は難しいかもしれません。

どこで買うか?

自分でいじるのが好きな人以外は日本の販売代理店からの購入をオススメします。
トラブル解決にかかる時間を買うと思えば多少高くても結果的にはお得です。

機械いじりが好きな人はamazonで買っても大丈夫ですが、タイミングが難しいですね。
一番安く買えるのはなんといっても年に一度のプライムデーですが、それ以外でも不定期にセールをやっているので価格チェックツールなども使って日ごろから購入希望の機種の価格をチェックしておくといいですね。

Keepaというクロームの機能拡張を入れておくと便利ですよ


という感じで今回は3Dプリンターを買った人が最初につまずくフィラメントの定着について簡単にまとめてみました。
次回は定着をよくするためのビルドプレートの選び方や一層目を活用するための小技などを紹介したいと思います。

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